製作工程

ここでは、株式会社ナスクの工場で使用している様々な作業用マシンの一部と、それを操作するクラフトマン達のこだわりをご紹介していきます。
また、そうして出来上がった部材の、組み立てや塗装といった仕上げ工程の現場の声をご案内します。

切断

木材を切断する機械です。
機材中央のベルトコンベアーが、定規に沿って木材を送り、回転する二つの丸鋸で木材を縦に切断していきます。材質、木目、切断後の反りなどを考慮して切断方法を変えます。
二枚の丸鋸は自由に動くので作業能率が上がります。長年の勘で手元調整を加えます。
20年の経験がありますが、すべての木材加工工程の第一歩であり、神経を集中して作業しています。
担当:佐々木 浩基 / 設備:ツインリップソー

切断

壁パネルに切断する材料を置き、回転する丸鋸が上下に移動して合板や板を直線切断する機械です。
材種・材質に合わせた刃物交換と切断スピードなどの調整をすることで、合板からムク材・アルミ材など、様々なものが切断できます。
また、治具を使えば、様々な形にも切断可能です。木目、図面を確認しながら切っていくのですが、次の作業工程へスムーズに橋渡しできるよう心がけています。
担当:山崎 桐 / 設備:インバーターパネルソー

削り

多軸の自動カンナ盤で、一度に木材の4面を削り加工する機械です。
刃を微調整することで精度が上がりますが、仕上がりを見越して作業することがコツです。
様々な木の個性を考えながら色々な形状に加工していきます。
長く使えるようにメンテナンスもこまめに行って大切にしています。一人で作業できますが、とても面白い機械です。
担当:山口 翔平 / 設備:NC多軸モルダー

接着

調理用電子レンジと同じ原理で高周波数の電磁波で接着剤を加熱し、同時にプレス機により圧力を加えて、パネルの下地枠にベニヤを張り付けていきます。
材料の寸法・表面材の種類はもちろんですが、その日の気温や湿度に合わせてアンペア数や加熱温度及び時間などのデータを設定したうえでプレスしていきます。
完成イメージを大切に作業しますが、ゴミなど付かないよう徹底した掃除も欠かせません。
担当:田中 雅之 / 設備:高周波プレス

裁断

フラッシュパネルや木材を一度に二面同時にきれいに切断できる機械です。
パネルの厚み、巾、高さに関するデータを設定し作業します。
この機械の経験は10年になりますが、材料の厚みの設定は特に大変気を使います。
やり方も何通りもありますが、自分で最適を探すことも醍醐味です。
二人での作業ではコンビネーションも大切で、経験と集中力が必要で神経を使いますし、責任も感じます。
担当:中山 圭介 / 設備:オートリターンテノーナ

貼り

建具・家具・パネルなどの加工木材の切り口をきれいに見せる為の化粧材を貼り付ける機械です。
エッジ材というテープや本物の木材を貼っていきます。貼る材種・材質・用途に合わせて刃物と加工工程を変えていきます。特に木縁の場合は、木の裏表・上下・硬軟を見極めてセットしますので経験や知識が必要です。
担当:竹下 千代之介 / 設備:エッジバンダー(縁貼機)

加工

NC(数値制御)によって、木材などにいろいろな形状の溝や穴を開けたり、くりぬいたりする機械です。
建具・家具の開口部分から三次元加工まで幅広い高精度のデザイン加工が可能です。
CADデータの絵・文字はもちろん、フリーハンドのものまで加工します。ドアやパーテーションをやすらぎの空間の演出としてもご利用いただいています。
私が模様をパソコンでデザインします。デザインを気に入っていただいたときは嬉しいですね。
入力や刃の切れ具合を音でチェックするなど丁寧さが必要とされる作業です。
担当:川端 三喜男 / 設備:NCルーター1号2号

塗装

調色は大変難しく、木目の出し方や手触り感などは、シンナーの薄め具合などが大きく影響します。
同じ種類の木であっても個性が違うとコンディションが違いますので、どの手段がベストなのかを探りながら繰り返します。もちろん天気や、室温、湿度によっても仕上がりは違いますから気を使います。
16年やっていますが、その経験とチームプレーで、最高の仕上がりを常に追い求め、妥協を許さないプライドとこだわりを持って仕事をしています。
担当:春田 智浩

組立

家具の組み立てでは、表面に傷がないか目視だけではなく手触りでチェックします。
組み立ては段取りが命で、やりがいがあります。皆で話し合いながらベストの組み立て順を探します。
夏はボンドが乾きやすいなどスピードを要することなので、チームワークで難を乗り越えています。
組み立てが完成すると、まるで自分の子供のようにいとおしくなって、手放したくなくなるんです。(笑)
担当:平田 大士

仕上げ

建具の製作はまず道具の手入れに気を使っています。刃物の切れが悪いと品質が変わってしまうからです。
手ですべてを触って凹凸をチェックしていきますが、先輩からの教えで、油や手垢に気を付け、手袋を着用しています。
そして製品が使用されている時のことを想像しながら作業しています。それはご使用いただく方の目線でもチェックしていきたいからです。想像通りに仕上がった時はやはり嬉しいですね。
建具(ドアや仕切り等)は部屋に入る時に一番最初に印象を与える、いわば「部屋の顔」となります。だから、きれいに長持ちするものを、その先の部屋の想像が広がるものを作っていきたいです。
担当:竹中 智弥

設備紹介

2015.9.15 現在

工場内マップ
  1. オートリターンテノーナ
  2. 高周波プレス
  3. 自動ノリ付機
  4. PNCドア加工機
  1. NCマシン(ルータ)
  2. PNC複合ボーリングマシン
  3. NCマシン(ルータ)
    [ガンドリータイプ]
  4. インバーターパネルソー 3000型
  1. エッジバンダー(縁貼機)
  2. 胴切盤
  3. NC多軸モルダー
  4. ツインリップソー

上記以外の主な機械

リップソー、クロスカットソー、油圧角ノミ機、胴切盤、ラジアルソー、パネルソー8尺、自動圧搾プレス、自動カンナ盤、昇降盤、手押しカンナ盤、ユニバーサルサンダー、超仕上カンナ盤、精密袖付横切盤、袖付横切盤、ワイドサンダー、四軸ホゾ盤、Hプレス、立軸面取機、コーナーロッキング、組立機、組立機2号 その他木工機械20台

新しい機械の導入

木工業界では九州トップクラスの機械設備を持つ我が社に、この9月に新しくPNC機械が2台、ラインアップしました。
1台は「PNC複合ボーリングマシン」で、主に家具のパネルを組み立てるための穴をあける加工をする機械です。
パソコンの機能をベースに多機能型ソフトで多彩なデザイン加工も可能になり、さらに質の高い生産が望めます。
もう1台は「PNCドア加工機」で、図面を入力するだけで手作業では難しい金物の取付加工は迅速で正確な加工、精密で細かな加工が可能となります。

PNC複合ボーリングマシン

PNCドア加工機